179.クジャクとツル The Peacock and the Crane クジャクはツルに出合うと、きらびやかな尾を広げてこう言った。 「私は王様のように、金色や高貴な紫、そして虹の色を全て彩った服を着ています。 それにひき かえあなたの羽ときたら、薄汚れた灰色だらけ」 するとツルがこう言い返した。 「確かにその通りかもしれません。 でも、私は、天高く、それこそ天国まで飛翔することができ るのです。 そして、星の彼方まで、声をとどろかすことができるのです。 それにひきかえあなた ときたら、あの、下劣なニワトリのように、 はいつくばっているだけではないですか」 馬子(マゴ)にも衣装というけれど、いくら着飾っても馬子は馬子。 タウンゼント版 イソップ寓話集 日本語訳 より